「やぁクロロ。ちょっと面白いことがあるんだけど、今大丈夫?」

「なんだいきなり。お前ハンター試験受けに行ったんじゃなかったのか」

「そうだよ。今はナビゲーター待ってるとこ」

「ナビゲーター?」

「まぁまぁ、とりあえず俺の話聞いてよ」

「いま本を読んでいるんだが…」

「””って、憶えてる?」

「…憶えているさ。なんだ、面白そうだな」

「でしょ?でさ、その””を見つけたって言ったら、どうする?」

「だいぶ面白い。生きていたのか」

「生きてたよ。たぶん、あの頃の姿のままで」

「ほぉ」

「年は5歳とかそこらじゃないかな。それから黒い犬を連れてる」

「続けろ」

「さっき確かめようと思って名前聞いたんだけどさ、やっぱり喋らない。
 で、紙とペンを渡してみたら、書いたよ。あの時に見た、あの文字のまま」

「…、だな」

、でしょ」

「で、がナビゲーターをやっていると」

「さすが。そう、ナビゲーターをやってる」

「どうせお前のことだ。試験に連れて行くつもりなんだろう」

「あっはは、正解!クロロも興味持つと思ってさー」

「連れて来い」

「言うと思った。了解、そのつもりだよ」

「他に、あの頃のと変わったところはあったか?」

「あの頃と、って言われても俺その時のこと知らないからなー。
 でも、なんて言うか、あの犬とって本当に術者と念獣なのかなと思う。
 一緒にいるとこ見るとすごい違和感するんだよね」

「あぁ」

「やっぱり知ってたんだ」

「あの頃は凝で見ることぐらいしかできなくて、何が違和感の原因なのかは分からなかったな」

「今もよく分かってないけどね。言葉で表すと、なんだろう…アンバランス、とも違う」

「しっくり来ない感じだ」

「そう、しっくり来ないんだよ。なんていうか…うーん、パズルのピースが、うまく合わないような」

「…」

「あぁ。そうだ、」






「ミスマッチ、だ」






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